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2008年7月18日 (金)

最近の日本の食糧事情とGNH

 今朝はほんの少しだけうれしいニュースが新聞に掲載されていた。2007年7月から08年6月までのお米の消費量が昨年より16万トン増加して853万トンと3年ぶりに増加したそうだ。農林水産省によれば「最近の海外の穀物相場等の影響で小麦価格が高騰し、パンなどの小麦製品などが値上がりする中でコメの値ごろ感が高まり、お米の消費に需要がシフトしているのではないか」とのことだ。しかしながら正直言って喜んでばかりもいられない。日本の国民1人当たりの年間のお米の消費量は現在61キロで、1962年(年齢がばれますが、僕の生まれた年です・・・)のピーク時からは半減しているのだ。しかも食糧自給率は39%。確かに僕たちが子供の頃は家でのご飯は朝昼晩と白米といわゆる魚や野菜、豆類等の日本食だった記憶があります。さらにお肉と言えば鯨か鶏で、豚肉や牛肉は本当に贅沢品でした。そんな今から考えるととても慎ましやかな生活でしたが、家族が小さなひとつ屋根の下で暮らし、セピア色でなんだかとても懐かしく幸せだった気がするのは僕だけ?(ALWAYS三丁目の夕日東京タワー オカンとボクと、時々、オトンの世界そのものです!)。そしてもう一つの思い出、当時の学校給食ではとてもお世辞にも美味しいと言えなかった脱脂粉乳とザラザラした食パンが今でも記憶に残っています。

 今、石油資源の高騰や様々な資源の枯渇、そして世界的な食糧不足やCO2削減などの環境問題が叫ばれる中、日本の国内を見渡すと限りある領土の中で、森林や農地がどんどん無作為に開発されたり、過疎化・高齢化等で荒廃しており、さらに残された農地でもお米の生産調整で、品種改良は進んでいるものの、本来日本の気候風土には余り適していない麦や大豆が生産されていたり、なかには水だけを張って何も作っていない農地(水田)が相当程度あるのが現状です。

 現在、農業に関わる仕事をさせていただいている僕としてははなはだ寂しい限りです。しかしながらこのような状況は、現在、農業や林業そして水産業に携わっている人々だけの努力ではもう限界にあると感じています。そのひとつのあらわれが、今週のはじめに漁業に携わる日本全国の漁師さん達が1日漁に出るのを一斉に休業し、国への対策等を訴えたりしたことがニュースに象徴されている気がしてなりません。

 今日はすごく堅い話になってしまいますが、本当に今こそ、日本の国民の皆さん一人一人が、今を生きている自分たちだけではなく、この地球や日本の将来を生きていかなければならない子供達や孫達さらにその先の世代に何を残してやれるのかという観点をしっかりと考えながら、現在の自分の豊かな生活そのものをきちんと見直す時期に来ているのではないでしょうか。僕たちは地球規模で考えればほんの一瞬、この地球や日本の国土をお借りしているだけなのですから・・・。本当に限りある資源を有効に活用して、その国らしい生活をしていくことが本来、人間のあるべき姿だと思います。

 話しは変わりますがブータンという国ではの「GNH(Gross National Happiness 国民総幸福量)」という概念を大切にして国づくりを進めているとのこと。この概念は国の力や発展は「生産」ではなく国民の「幸福」で測ろうという考え方だそうで、この「GNH」の考え方は、1976年に開催された第5回非同盟諸国会議の時にブータンのワンチュク国王(当時なんと21歳)が「GNHはGNP(Gross National Product 国民総生産)よりもより大切である」との発言に端を発しているそうです。物質的な豊かさだけでなく、精神的な豊かさも同時に進歩させていくことが大事との考えだそうです。
 国際化、グローバリズムという名目のもと、経済優先、市場原理で突き進んできたアメリカや日本をはじめとした先進諸国の国民は本当に今、幸せなのでしょうか。伝統的な文化や食生活そして宗教観等が薄れている現代の日本人はほんとうに素敵な笑顔で生活しているのでしょうか?、

 ブータンでは先進国の発展経過等を研究の結果「経済発展は南北対立や貧困問題、環境破壊、文化の喪失につながり、必ずしも幸せにつながるとは限らない」という結論に達したそうです。そこでGNP増大政策をとらずに人々の幸せの増大を求めるGNHという考えを打ち出しました。「開発はあくまで、国民を中心としておこなわれるべき」。GNHはブータンの開発哲学であり、開発の最終的な目標なのだそうです。このGNHという概念のもとブータンでは、①経済成長と開発、②文化遺産の保護と伝統文化の継承及び振興、③豊かな自然環境の保全と持続可能な利用、④よき統治の4つを柱として開発を進めているのだそうです。

 もともと幸福という概念は主観的なものですし、個人、家族、地域、国、そして国際的にも一律の尺度で測れるようなものではないのです。従ってGNHもあくまでも概念的なものとして考えられていたそうです。しかし、近年GNHという考え方が広く知られるようになり、「GNPのように指標として数値化できないか」という声が高まったこともあって、1999年にブータン研究センターが設立され、具体的な研究がスタートしてるそうです。現在、この研究センターでは幸福という概念を次の9つの要素に分けて検討しているそうです。①living standard(基本的な生活)、②cultural diversity(文化の多様性)、③emotional well being(感情の豊かさ)、④health(健康)、⑤education(教育)、⑥time use(時間の使い方)、⑦eco-system(自然環境)、⑧community vitality(コミュニティの活力)、⑨good governance(良い統治)。

 1カ月ほど前に、元プロサッカー選手の中田英寿さんが世界中を自分探しの目的で旅していることを特集した番組でもこのGNHの話しとブータンの子供達が中田さんとサッカーを通して交流し、そしてその子供達の「貧しくともこぼれる笑顔」が放映されている番組を見ました。先進国として資源をあふれるほど使い、豊かな生活を送る日本の子供達に今、あんな素朴であふれるような笑顔がいつも見られるでしょうか?

 今、僕は日本の国や国民はブータンのGNH(国民総幸福量)の考え方に基づいて、政策や生活を見直していくべき時期に来ているような気がしています。もちろん食文化や食生活も含めてですが・・・。今日は久しぶりに持論をぶってしまいました!

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コメント

私も以前は農業関連の仕事をしていましたので、農業には関心があります。製造業は労働力の安い発展途上国に流出し、日本の行く先を考えたとき、今力を入れるべきは、エネルギー効率を考えても、食糧の自給と、それと次代の子供たちの教育だと思います。
田舎を走っていても、以前開拓され、耕作されていた水田が休耕し、荒れている姿をよく見ます。自分は直接何かできることとてないのですが、何とかならないだろうかと思うことがよくあります。

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